====== DSair2にS88を追加する ====== DSair2にはS88のコネクタを搭載するスペースが用意されています。またケースを加工することで、S88の機能を追加できます。 ヨーロッパで一般的に使用されているS88システムを使用することで、自動運転の環境を整えることが出来ます。S88は、欧州・オセアニアで主流の在線検出システムです。欧州では多くのメーカーが対応機器を販売しており、日本でも[[http://web.nucky.jp/dcc/s88n_train_detector/s88n_train_detector.html|Nucky]]や[[https://seesaawiki.jp/fujigaya2/d/S88%20Detector%208ch|Fujigaya2]]からキットが販売されています。 ===== S88って何? ===== ==== 概要 ==== メルクリンが開発した在線検出器の名称で、型番からS88と呼ばれてます。S88デコーダという名前で、車両に組み込むデコーダと同じようにイメージされる方もいらっしゃいますが、意味は違っていて、単なる在線検出器の信号中継システムの名称です。 フリップフロップ回路を使ったバケツリレー方式による信号受け渡しで、回路がシンプルです。このため、安価に実現でき、サードパーティからもたくさんの機器がリリースされています。 デコーダは数珠つなぎにでき、以下のように配線して追加できます。最大で16台まで接続できますが、Desktop Stationの機器ではソフト実装の関係上、4台程度までを推奨としています。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/S88wiring-thumbnail2.png}} ==== 仕組み ==== パルスを1回送るごとに、隣のビットデータ保管庫(いわゆるフリップフロップ)に渡す仕組みです。一番最後は、コマンドステーションの口で、パルスを渡すごとに、コマンドステーションの口にデータが入る仕組みです。たとえば、16回、パルスを出せば、16個のビットデータがコマンドステーションに入ります。 タイミングは、リセットパルスを最初に打つことで調整します。パルスの長さやタイミングは規定が決められているので、その通りに実装すれば良いだけです。 デジタル回路では、結構簡単に実装でき、S88自体にはマイコンは不要です。ただし、センサによっては、データ処理や複雑な制御などがあるので、回路だけで組むと大変なので、マイコンを結局使う事になったりもします。マイコンを使う場合には、S88の処理もソフトで実装するので、ハードとしてはかなりシンプルになります。 この説明でお分かりの通り、単純なビットデータしか渡せません。なので、Loconetのようにスロットルを使うとなると、いろいろと細工が必要ですが、この辺はもう検討済みで、フジガヤさんがS88スロットルを開発済みです。これから、いろいろなスロットルが登場すると思います。 ==== S88-N ==== S88には欠点があり、その一つに配線が高価、入手性が悪い、長さのバリエーションが乏しい、取り回しがしにくいというところがありました。 そこで、S88-Nが開発されました。S88-Nとは、OpenDCC.deやTams Electronikなどが開発した、S88を汎用の8極のEthernetケーブルに流すための配線方式です。(稀に4極の古いケーブルもあります。古い機器からの使いまわしの際は、ご注意ください。)100円ショップでケーブルが売っていて入手性が非常に良いのと、差込も簡単なため、ヨーロッパでは普及しています。 DCC電子工作連合、Desktop Stationでは、S88の従来コネクタではなくS88-Nを正式に採用しています。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/s88-n_logo-thumbnail2.gif?100px}} ==== S88デコーダ(センサ)製品 ==== DCC電子工作連合のメンバーがS88デコーダをリリースしています。また、海外のメーカーも機器をリリースしており、ネット販売で容易に購入できます。 * Nucky [[http://web.nucky.jp/dcc/s88n_train_detector/s88n_train_detector.html|s88-N Train Detector]] * フジガヤ2 S88 Detector [[http://seesaawiki.jp/fujigaya2/d/S88%20Detector|6ch版]], [[https://seesaawiki.jp/fujigaya2/d/S88%20Detector%208ch|8ch版]] * Desktop Station S88ボタンデコーダ(販売休止中) * LDT RM-88-N (3線式用) * Tams S88-3, S88-4 ===== 用意するもの ===== * RJ45コネクタ([[http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-00159/|秋月電子で販売されている7810-8P8C]]) ===== 作成手順 ===== ==== RJ45の半田付け ==== RJ45コネクタを、赤枠のスペースにはめ込んで、半田付けします。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/dsair2_fsmpl_test2-thumbnail2.jpg}} ==== ケース開口部のくりぬき ==== ピンバイス、ホットナイフ、デザインナイフなどを駆使して、開口部をくり抜きます。かなりの厚みがありますので、作業は丁寧に時間をかけて行って下さい。\\ くり抜く際の位置や大きさは、[[http://kotenki.cocolog-nifty.com/loco/2019/02/dsair2ni.html|ゆうえんさんのブログ]]が詳しいです。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/DSair2_S88N-thumbnail2.jpg}} ===== 自分で出来ない方へ ===== 協力店が加工サービスを提供しています。有料ですが確実に対応できます。 DesktopStation公認の組み立て・改造サービス店の[[http://www.amy.hi-ho.ne.jp/takatani/shop/dsair2/dsair2.htm|MZI NET SHOP]]へお問い合わせ下さい。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/DSbasic_S88_AddonService.png?400px}} ※S88機能は上級者向け隠し機能です。改造済みの機器のサポートを保証することはありません。