RailComDisplayを開発中

RailComは、DCCデコーダの情報をDCC信号を流すレールを使って、吸い出すための仕組みです。ドイツのレンツ社が開発したもので、仕組みとしては実はそれほどややこしいものではない(ことが分かりました)。
RailComの通信は、DCC通信を瞬間的に止めて、コマンドステーションが出力を短絡させることで開始します。普通、出力を短絡したらショートで故障するもんですが、Railcomの場合は、わざと行うことで動作させてます。なんで短絡させるかというと、電流の変化を使って、デコーダから信号を出力するためです。その電流変化をコンパレータで捉えて復元し、マイコンに処理させることで、通信することができます。通信の中身は250kbpsの片方向UARTです。ノイズ対策として4/8bitのビットエラー検出のアルゴリズムが使われます。
細かい話は、RailCommunityのRCN-217かNMRAのRP S-9.3.2を読んでください。
特許関連ですが、基本的な特許は既に切れてます。関係しそうな特許を検索して、一応下に示します。
・US6494410B2 期限切れ(途中で放棄?)
・DE2000111978 期限切れ(2020年3月まででした)
・EP1380326B1 無効 ←仕様書に掛かれている根幹特許
・US7198235B2 期限切れ
ただし、2010年発表のRailComPlusについては、特許があるようです。番号は分からないけど。
商標については、欧州はRailComが有効みたいですが、アメリカに出していたのは2014年に失効したようです。
ということで、既に特許などの制限はRailComPlusを除けばなさそう、ということで安心して対応機器を開発できるわけであります。
以前に、RailComカットアウトの実験を行い、そのあと、RailcomDetectorの回路設計をしました。1年以上前ですね・・・。DSair2では、RailComカットアウト機能が標準で搭載されていますが、起動時はOFFになってます。
それから1年以上過ぎまして・・・。
先日、MP3サウンドデコーダで有名なNagodenさんが、RailComのDetector回路をデバッグして、無事に動作を確認されました。そのあと、ソフトの実装部分で少しお手伝いし、安定性向上を実現しました。その成果を踏まえ、Nagodenさんと共同で、RailComDisplayを開発することとしました。
RailComDisplayの回路図(暫定版)は以下の通りです。
DSdetector_SCH_02.png
アートワークは以下の通りで、サイズは秋月電子のC基板サイズにしてます。こうすると、いろいろなケースやアクリル板が流用できるので都合が非常に良いのです。
DSdetector_PCB_021.png
DSdetector_PCB_022.png
スケッチは、受信とアドレス計算部分はNagodenさんから頂いてます。7セグのダイナミックドライブソフトをミント缶から移植予定ですが、まだ作ってないので、基板が来たら着手します。
wikiに、徐々に情報はまとめていきます。
既にシンセンのElecrowに基板製造・部品実装依頼を掛けました。おおよそ3週間と言われているので、旧正月前には来るかなと期待してます。問題なければ量産に掛けて、キットを中心に頒布していきたいと思います。
日本全国のDCC&電子工作ユーザー向けに、RailComを気軽に触れる環境づくりをしていきたいと思います。

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