SmileSound Standard MTC21 ユーザー故障事例紹介

KATO HO EF81に、SmileSound Standard MTC21を搭載する際に、デコーダを故障させてしまった事例が届きましたので、皆様に情報共有としてご紹介させていただきます。

まず、以下にデコーダが故障した状態の車両の全体写真を示します。DCCデコーダを大量に壊してきた猛者なら、見た瞬間にピンとくるかと思います。

何がおかしいか分からない方は、矢印を付けたので、そのポイントをご確認ください。

あー!とお気づきになると思います。電線がほつれていて、微妙に接触してますね。ショートしているのは確実ですが、どうしてショートして壊れたのか、配線図を確認してみましょう。SpeakerとMotorLがショートしているのが分かります。

つまり、モータ出力とスピーカーを比較すると、モータ出力の方が電圧が大きく、強いエネルギーを出力しますので、スピーカーのICにモータ出力のエネルギーが無理やり入り込みますので、スピーカー用のアンプICが破壊されます。よってサウンドが出なくなります。運が悪ければ、スピーカーIC内部が破壊され、さらに電源ICやマイクロコンピュータにまで逆流していろいろな部分が破壊されます。

ショートしている部分をさらに拡大してみました。ほつれていて、パッドにしっかりはんだ付けされていない部分が横にあたってます。これは完全に、はんだ付けの施工不良となります。テストで点数をつけるならば、禁忌作業ですので採点無効となります。

この場合は、いったん、電線を取り外し、ニッパではんだ付けする被服を剥いた部分の長さを再調整し、長い部分を切り落として短くしてはんだ付け作業をやり直す必要がありました。

デコーダを良品に交換し、はんだ付けをし直して、以下のように修正しました。まっすぐに整列させ、見た目がきれいにすることが、デコーダの破壊・故障を防ぎ、安定した動作に繋がります。

まとめると、以下のことを心掛けるようにしてください。

  • 配線の乱れは心の乱れ。配線は、きれいにまっすぐまとめる
  • 電線のほつれは心のほつれ。ほつれはニッパで切って整え直す
  • 適切な被覆を剥いた電線の長さ。短すぎず、長すぎず。気持ち短くても大丈夫。
  • 適切な道具の選定。はんだごてのコテ先は、細い電線に合う細いものを選びましょう。数千円ですみます。デコーダを壊したらウン千円です。
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