DSshield2

DSshield2(DSシールド2)は、電子工作・プログラミングを愛好する方向けに開発した、DCCコマンドステーションを自作できる、Arduino UNO R4用のシールド基板です。本製品は、単独では使用できません。Arduino UNO R4ボード、PC等を併用して使用します。自動運転システムの構築やコマンドステーションを自作する方向けの製品となり、一般的な鉄道模型ユーザー・モデラー向けではありませんので、ご注意ください。

特徴

  • Arduino UNO R4(Renesas RA4M1)向けのシールド基板
  • デジタル鉄道模型を動かすのに必要な回路、CV読み出しIC、S88、Grove端子を装備
  • 自分でDCCコマンドステーションを開発・自作できる
  • S88在線検出器を標準で接続可能。自動運転システムを開発可能
  • オープンソース、オープンハード
  • DCCのプロトコルスタックDScoreをスケッチで提供。
  • PCからの制御も可能(標準スケッチをそのまま使う場合)

サポート機能

  • DCCパケット送信(DSair2相当)
  • 内蔵ブースター2A(max 4.5A), DSair2/DSairLite相当回路
  • DCC CV読み出し・書き込み(DirectModeのみ)
  • I2C Grove端子(5V専用)を用意
  • 欧州で主流の在線検出システムS88-N(5V)対応
  • 空き端子は自由に使用可能(A2,A3,D4,D6,D7)

使用方法

PDF形式のユーザーズマニュアルを提供しています。

DSshield2 User’s Manual Rev.0.01 (2025/8/16)

センタープラス・12V~16VのACアダプタと、Arduino UNO R4 Minimaをご用意ください。 本キットに含まれる部品をはんだ付けし、Arduino UNO R4に装着します。

標準のスケッチでは、Serial Communication SpecificationのUSBシリアルコマンドに対応しているため、Desktop Station Softwareから操作できます。標準のスケッチをベースに、ご自分でお好きに改造して、お好みのDCCコマンドステーションを自作してください。もちろん、PC上でオリジナルのアプリを開発し、USBシリアルコマンドを使って動かすことも可能です。

Arduino UNO R4への書き込みは、右図のように、ボードを”Arduino Renesas UNO R4 Boards”の中から”Arduino UNO R4 Minima”を選択してから書き込みを行ってください。

Grove端子は、動作確認済みですが標準スケッチでは動作しません。Grove I2Cのライブラリを追加してご自分でプログラミングし、機能を拡張してご利用ください。

回路図

回路図は以下のとおりです。Arduino シールドの一部のピンを占有しますので、空きピンはA2,A3,A4,A5,D0(RX),D1(TX),D4,D6,D7,D8,D13となります。スケッチを改造し、一部の機能を無効化することで、空きピンを増やすこともできます。

※本製品を購入せずに、回路図を元に自作シールドを作成することも許容されます。ただし、一切のサポートは受けれられません。

スケッチ(Arduino UNO R4向け)

Windowsで動作する無料頒布のDesktop Station Softwareで行えるスケッチを以下に掲載します。 PCなしで制御することも可能ですが、ご自身でスケッチを作成いただく必要があります。スケッチの作成・変更に関して、弊社は一切の相談受付・サポートを行いません。ご自身で、Arduinoの学習をお願いいたします。

Arduino UNOへのスケッチの書き込みには、Arduino IDEのインストール方法を参照ください

用途リビジョンダウンロード更新履歴
DesktopStationSoftware用Gatewayrev.20250812DOWNLOADUNO R4専用, HWLib V1.5で確認
DesktopStationSoftware用Gatewayrev.20230628DOWNLOADUNO R4専用
単独自動運転用rev.20230704DOWNLOADUNO R4専用

対応S88在線検出器

鉄道模型の自動運転を行うためには、線路上の車両の存在を確認するための在線検出器が不可欠です。DSシールド2は、欧州で開発され、主流となっているS88在線検出器をサポートします。S88在線検出器は、非常にシンプルで枯れた技術であるため、信頼性が高いという特徴があります。

その中で、DSシールド2は以下のメーカーのS88在線検出器をサポートしています。S88-N規格に準拠したS88デコーダ(S88在線検出器)であれば、対応可能です。

メーカー製品名検知方式
Nuckys88-N Train Detector線路ギャップ・動力車電流検知式
フジガヤ2S88 Detector光センサ式
フジガヤ2S88 Detector 8ch光センサ式
DesktopStationS88 Button Decoderボタン押し込み
LDTRuckmeldemodul RM-88-N線路ギャップ・動力車電流検知式

S88-N Train Detector等のギャップ式の検出器を使用する場合、UNITRACK線路のジョイナーを使ったギャップを切る方法を弊社ブログで紹介しています。

PC用自動運転・制御ツール “DesktopStation Software”

Windows PC用の自動運転・制御ツール “DesktopStation Software“を無償で提供しています。本ソフトウェアは、弊社を代表するソフトウェア・システムで、弊社のUSBコネクタ付きDCCコマンドステーション全てが対応しています。在線検出器を用いた自動運転、信号制御・ルート制御、レイアウトマップを用いたポイント制御等をサポートしております。

DSshield2にも対応しており、自動運転を手っ取り早く行うことができます。なお、DSshield2単体で自動運転を実現したい場合は、ご自身でスケッチを作成する必要があります。本ソフトウェアは、PC上で動作するため、PCとArduinoUNO R4 Minima/DSshield2の接続が必須となります。ご注意ください。

配線例

DSshield2とPC、S88在線検出器を用いた、自動運転システムの配線例を示します。ここでは、線路にギャップを設けて、センサ区間に車両が入ったことを検知して、PCで進行方向の切り替えや速度を制御するものです。