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トマランコンデンサ

トマランコンデンサ(TOMA-RUN)

トマランコンデンサは、DCCデコーダの集電不良による突然停止を防止するため、デコーダの電源部分にコンデンサを追加し、集電不良部分も問題なく通過させるための追加部品です。各メーカーごとに、Keep-AliveやStay Alive、Energy Storageなどなど、様々な呼び方があります。

DCCwikiに詳細な解説があります。

DCC電子工作連合では日本のDCCユーザーの公募から、「トマランコンデンサ」と名付け、だれでも自由に無料で使用できる名称を策定しました。ぜひとも、トマランコンデンサを自由にお使いください。回路図、設計図は全て公開しております。

原理・仕組み

デコーダの全波整流後にコンデンサをそのまま接続すると、DCCの信号を線路に投入したと同時に突入電流という現象が必ず発生します。 この現象は、空っぽのコンデンサに勢いよく電流が流れ込む現象(=電源とGNDがショートしたような回路を瞬間的に形成します)で、通常流れる電流の数倍~10倍流れる場合があります。このため、電子部品を故障させたりする原因となり、デコーダ側で対策することがベストです。

この現象は、様々な機器も同様に発生しており、「電源や途中の経路の耐電流を強化する」「電流がゆるやかに流れるように迂回回路をつくる」といった対策が、実際の電気機器で行われています。

本仕組みは後者の迂回回路を作る方式をシンプルに実装したものです。コンデンサに流れ込む場合は抵抗(100-470Ω程度)を経由して電流を減少させ、集電不良で線路から電流が来ないときは、コンデンサから電流を流すため、抵抗を迂回する経路(ダイオードを逆並列)を作る回路が、トマランコンデンサ基板です。

対策なしだと瞬間的に4A流れますが、トマランコンデンサ基板を使うと、0.16Aまで減少し、全く問題ないレベルになります。対策なしの時に4Aも瞬間的に流れると、コマンドステーションによっては内部が損傷し、寿命を縮める可能性があります。

対策なしの場合の電流の流れ方(ピークで4.0A):

トマランコンデンサ基板を使用した場合(ピークで0.16A):

部品、アートワーク図

ダイオード部品 ローム RB160M-30TR URL
抵抗 メーカー自由 2012または1608サイズ
100Ω程度(100-470Ωで自由に選定してください)
1/4W以上の抵抗(1/2W, 1Wなど)
参考URL
コンデンサ ルビコン 25PK1000MEFC10X16(25V/1000uF)
※このコンデンサのサイズに合わせただけです。
URL

mbeファイル: kacaparray_aw_r3_mbe.zip

ガーバーファイル:
kacaparray_aw_r3.zip

mbeファイル、ガーバーファイルは著作権フリーで無料で自由にご利用いただけます。製造した基板を販売しても構いませんが、当社は一切の責任を負いません。なお、ベースの技術・アイデアがDesktop Stationであることを記載いただけると幸いです。

Desktop Station純正の基板

弊社では、25V/1000uFコンデンサの形状にぴったり合わせた基板を開発しました。サイズに厳しい鉄道模型車両の中でも、そのままコンデンサに合体させて収納することができます。なお、もっと容量の大きいコンデンサに流用することは問題ございません。

アートワーク:

基板:
buin2gou.sakura.ne.jp_sblo_files_powerele_image_keepalivepcb2-thumbnail2.jpg

コンデンサに装着:
buin2gou.sakura.ne.jp_sblo_files_powerele_image_keepalivepcb1-thumbnail2.jpg

コンデンサの選定の注意点

コンデンサは寿命のある部品です。また、エネルギーを蓄える部品のため、選定や使い方を間違えると、爆発したり故障の原因になります。

  • 使用温度を守る。50℃を超えるようなところでは使用しない(※デコーダが発熱する場合は要注意)
  • 電圧は絶対に守る。なるべくなら使用電圧の2倍の耐電圧のコンデンサを選ぶこと。12Vなら25V品以上、16Vなら35V品以上。
  • 極性は絶対に守る、逆に配線して電気を流してしまったコンデンサは故障しますのですぐに廃棄してください。なお、逆に配線したコンデンサを数分使うと、簡単に爆発します。

秋月で売っている16V/8200uFなどの巨大な容量のコンデンサを12Vの環境で使用しても、即故障などはありませんが、間違えて16V以上の環境、たとえばメルクリンのコマンドステーション(18V程度)で使用すると一気に劣化が始まり、想定よりもずっと早く故障を引き起こします。

トマランコンデンサ基板は、充電を制御する仕組みを持っているため、コンデンサの容量や大きさ(配線できるかどうかは別として)に関係なくご使用いただけます。

コンデンサに記載されている寿命時間(2000時間とか)は、記載されている環境で使い続けた場合の保障時間です。たとえば105℃で25V、2000時間のコンデンサを、85℃の環境で25Vより下の環境で使用した場合、温度二倍則により、2000*4=8000時間が寿命となります。

※周囲温度ではなくコンデンサ内部の温度です。どれくらいの充放電が行われたかで温度変化が変わります。室温が25℃でも、コンデンサの内部温度は使用中、高い場合がほとんどです。

設計仕様

トマランコンデンサ基板は以下の設計指針で設計しております。

使用電圧 18Vmax
放電電流 1.2Amax
充電電流 0.6Amax

キットの部品も、この仕様に合う形で選定しております。

抵抗は100オーム、1/3Wのものを選定しています。ダイオードは、ショットキーダイオード2Amaxを選定しています。

頒布

トマランコンデンサ基板は、DesktopStationから、なごでん(名古屋電鉄)さんに2018/6/17に移管され頒布しています。

詳細は、なごでん(名古屋電鉄)さんの頒布サイトを参照ください。

トマランコンデンサ.txt · 最終更新: 2020/11/08 10:01 by yaasan

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