dsair2_s88
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
両方とも前のリビジョン前のリビジョン次のリビジョン | 前のリビジョン | ||
dsair2_s88 [2019/03/04 20:26] – [開口部のくりぬき] yaasan | dsair2_s88 [2019/03/10 16:32] (現在) – [開口部のくりぬき] yaasan | ||
---|---|---|---|
行 3: | 行 3: | ||
DSair2にはS88のコネクタを搭載するスペースが用意されています。またケースを加工することで、S88の機能を追加できます。 | DSair2にはS88のコネクタを搭載するスペースが用意されています。またケースを加工することで、S88の機能を追加できます。 | ||
+ | ヨーロッパで一般的に使用されているS88システムを使用することで、自動運転の環境を整えることが出来ます。S88は、欧州・オセアニアで主流の在線検出システムです。欧州では多くのメーカーが対応機器を販売しており、日本でも[[http:// | ||
===== S88って何? ===== | ===== S88って何? ===== | ||
+ | ==== 概要 ==== | ||
+ | メルクリンが開発した在線検出器の名称で、型番からS88と呼ばれてます。S88デコーダという名前で、車両に組み込むデコーダと同じようにイメージされる方もいらっしゃいますが、意味は違っていて、単なる在線検出器の信号中継システムの名称です。 | ||
+ | |||
+ | フリップフロップ回路を使ったバケツリレー方式による信号受け渡しで、回路がシンプルです。このため、安価に実現でき、サードパーティからもたくさんの機器がリリースされています。 | ||
+ | |||
+ | デコーダは数珠つなぎにでき、以下のように配線して追加できます。最大で16台まで接続できますが、Desktop Stationの機器ではソフト実装の関係上、4台程度までを推奨としています。 | ||
+ | |||
+ | {{http:// | ||
+ | |||
+ | ==== 仕組み ==== | ||
+ | |||
+ | パルスを1回送るごとに、隣のビットデータ保管庫(いわゆるフリップフロップ)に渡す仕組みです。一番最後は、コマンドステーションの口で、パルスを渡すごとに、コマンドステーションの口にデータが入る仕組みです。たとえば、16回、パルスを出せば、16個のビットデータがコマンドステーションに入ります。 | ||
+ | |||
+ | タイミングは、リセットパルスを最初に打つことで調整します。パルスの長さやタイミングは規定が決められているので、その通りに実装すれば良いだけです。 | ||
+ | |||
+ | デジタル回路では、結構簡単に実装でき、S88自体にはマイコンは不要です。ただし、センサによっては、データ処理や複雑な制御などがあるので、回路だけで組むと大変なので、マイコンを結局使う事になったりもします。マイコンを使う場合には、S88の処理もソフトで実装するので、ハードとしてはかなりシンプルになります。 | ||
+ | |||
+ | この説明でお分かりの通り、単純なビットデータしか渡せません。なので、Loconetのようにスロットルを使うとなると、いろいろと細工が必要ですが、この辺はもう検討済みで、フジガヤさんがS88スロットルを開発済みです。これから、いろいろなスロットルが登場すると思います。 | ||
+ | |||
+ | ==== S88-N ==== | ||
+ | |||
+ | S88には欠点があり、その一つに配線が高価、入手性が悪い、長さのバリエーションが乏しい、取り回しがしにくいというところがありました。 | ||
+ | |||
+ | そこで、S88-Nが開発されました。S88-Nとは、OpenDCC.deやTams Electronikなどが開発した、S88を汎用の8極のEthernetケーブルに流すための配線方式です。(稀に4極の古いケーブルもあります。古い機器からの使いまわしの際は、ご注意ください。)100円ショップでケーブルが売っていて入手性が非常に良いのと、差込も簡単なため、ヨーロッパでは普及しています。 | ||
+ | |||
+ | DCC電子工作連合、Desktop Stationでは、S88の従来コネクタではなくS88-Nを正式に採用しています。 | ||
+ | |||
+ | {{http:// | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ==== S88デコーダ(センサ)製品 ==== | ||
+ | |||
+ | DCC電子工作連合のメンバーがS88デコーダをリリースしています。また、海外のメーカーも機器をリリースしており、ネット販売で容易に購入できます。 | ||
+ | |||
+ | * Nucky [[http:// | ||
+ | * フジガヤ2 S88 Detector [[http:// | ||
+ | * Desktop Station S88ボタンデコーダ(販売休止中) | ||
+ | * LDT RM-88-N (3線式用) | ||
+ | * Tams S88-3, S88-4 | ||
===== 用意するもの ===== | ===== 用意するもの ===== | ||
行 16: | 行 55: | ||
==== RJ45の半田付け ==== | ==== RJ45の半田付け ==== | ||
+ | |||
+ | RJ45コネクタを、赤枠のスペースにはめ込んで、半田付けします。 | ||
{{http:// | {{http:// | ||
- | ==== 開口部のくりぬき ==== | + | ==== ケース開口部のくりぬき ==== |
- | ピンバイス、ホットナイフ、デザインナイフなどを駆使して、開口部をくり抜きます。 | + | ピンバイス、ホットナイフ、デザインナイフなどを駆使して、開口部をくり抜きます。かなりの厚みがありますので、作業は丁寧に時間をかけて行って下さい。\\ |
くり抜く際の位置や大きさは、[[http:// | くり抜く際の位置や大きさは、[[http:// | ||
行 30: | 行 71: | ||
協力店が加工サービスを提供しています。有料ですが確実に対応できます。 | 協力店が加工サービスを提供しています。有料ですが確実に対応できます。 | ||
+ | DesktopStation公認の組み立て・改造サービス店の[[http:// | ||
+ | |||
+ | {{http:// | ||
+ | ※S88機能は上級者向け隠し機能です。改造済みの機器のサポートを保証することはありません。 |
dsair2_s88.1551698772.txt.gz · 最終更新: 2019/03/04 20:26 by yaasan