====== DS HACX R4.1 ======
DS HACX R4.1は、入手のしやすいアナログパワーパックの内部基板を交換することで、簡単なCV読み書きを可能とした簡易型DCCコマンドステーションを自作できるソリューションです。必要最低限の機能に絞ることで、中・上級者の方が普段使いしやすいようにしています。
[[DSHACX]]から、前面パネルを独自のパネルにすることで、デザイン面や加工の手間を軽減しています。
ソフトウェアや基板の変更はございません。
{{::hacxr4_newpanel12_mini.jpg|}}
===== 利用想定対象者 =====
はんだ付けや、ケースのくりぬき工作作業が必要なため、工作経験をお持ちの方を対象としています。工作経験を持つ、知り合い・ご友人の力を借りて組み上げられる場合には、その限りではありません。
有償による修理サービスや、部品の別売も行っておりますので、もしも加工や工作に失敗した場合にはデスクトップステーション株式会社までご相談ください。
===== できること =====
* 1つのDCC車両の運転
* 1つのアナログ車両の運転
* ポイント・信号機の切り替え
* CVの読み出しと書込み(Directモードのみ)
* アドレスの読み書き機能
===== できないこと =====
* PCとの接続
* 複数車両の同時運転
* 自動運転
* メルクリンデジタル・mfx・MM2車両の運転
===== やってはいけないこと =====
以下の行為を行う可能性がある方は、購入をご遠慮ください。
* パワーパックのメーカーであるK社様に問い合わせやサポートを依頼すること
* 組み立てをDesktopStationに依頼する事(組み立て後の不具合、修理は有償で実施しております)
===== 部品表(BOM) =====
キットの基板を作るときに使用する部品は以下の通りです。必要な部品は全てキットに付属しています。また、表面実装部品は、全てはんだ付け済みですので、安心してキットを組み立てできます。
^Parts No ^Specification ^Akizuki ^Notes ^
|OLED| I2C OLED,0.96inch,128x64 |[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-12031/|P-12031]] | |
|OLED PinFrame | 4pin 2.54mm pitch Pin Frame |[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-05779/|C-05779]] | |
|IC2|TB6643KQ|[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-07688/|I-07688]] | |
|IC4|ATMEGA328P-PU|[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-03142/|I-03142]] | |
|C7 |220uF,35V,\\ 35ZLH220MEFCCT8X11.5 |[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-11758/|P-11758]] |
|C2,C3 |47uF,25V,25MH747MEFC6.3X7 |[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-10596/|P-10596]] |
|SW1,SW2,SW3,SW4,\\ SW5,SW6,SW7| Tact Switch H=18mm | | |
|PCB |独自基板 | | |
^Specification ^個数 ^Notes ^
|スペーサ(メスメス),M3 14mm | 4pcs | |
|M3ねじ| 8pcs | |
|固定用ビス |4pcs | |
|アクリルパネル| 1pcs | |
|印刷済パネル紙| 1pcs | |
ケースに入れてコマンドステーションとして完成させるために必要なものは以下の通りです。
|[[https://www.katomodels.com/product/p/power_pack_standard_sx|22-018]]|パワーパックスタンダードSX(ACアダプター別売)|
===== 基板のはんだ付け =====
- パワーパックSXの基板から、配線をすべてはんだごてを使って取り外します
- HACX R4基板に、ATMEGA328P-PU、TB6643KQをはんだ付けします。
- タクトスイッチもはんだ付けします。
- パワーパックSXから取り外した、DC電源線、フィーダ線をはんだ付けします。DC電源線は極性があり、赤が+、黒がーとなります。間違えると、HACX R4基板は故障しますので、基板上のシルク印刷と、写真を見て確認をお願いします。
- OLEDは、若干斜めに折り曲げる必要があります。
基板は背の低い部品から、はんだ付けをしてください。表面実装部品は既にはんだ付け済みです。また付属のATMEGA328Pもファームウェアを書き込み済みです。
{{::dshacx4_pcb.jpg?400|}}
部品をはんだ付けすると以下のようになります。
{{::dshacx4_pcb_soldered.jpg?400|}}
パワーパックSXの配線などを移植して、以下のような形にしてください。
- VRは、上から緑・黄・灰の順番ではんだ付け。
- DCジャックは極性があります。赤が+12V、黒がGNDに配線してください。
- フィーダ出力は、特に極性はありません。
===== 組み立て =====
大きな作業項目は下記の通りです。
* パワーパックSXの分解、部品の取り外し
* パワーパックSXの前面くりぬき加工(超音波カッターがあると便利)
* 基板の組み立て(前述)
* OLEDの取り付け
* 印刷済み前面パネルの穴部分くりぬき(デザインナイフ、またはカッターを使用)
* アクリルパネル、印刷済み前面パネル、基板、OLEDの取り付け
* パネルのビス止め
* ケースへの収納
* ケースの固定と完成・動作確認
==== パワーパックSXの分解、部品の取り外し ====
[[https://www.katomodels.com/product/p/power_pack_standard_sx|KATOパワーパック スタンダードSX]](22-018)のケースを改造して流用します。当然のことでありますが、分解・改造した時点で製品の保証は無くなります。本キットに関連することについて、KATO社への問い合わせは絶対にしないでください。KATO社へ問い合わせを行う可能性のある方は、HACXの利用をおやめください。
[[https://desktopstation.net/blog/2021/11/30/kato-%e3%83%91%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc%e3%83%89sx%e3%81%ae%e5%88%86%e8%a7%a3%e6%96%b9%e6%b3%95/|パワーパックSXの分解方法はブログにてご紹介]]していますので、ご一読ください。はんだごて、ドライバー、モンキーレンチなどが必要となります。
下記のように分解できれば、準備完了です。
{{::hacxr4_newpanel13_minia.jpg|}}
{{::hacxr4_newpanel13_minib.jpg|}}
==== パワーパックSXの前面くりぬき加工 ====
超音波カッターなどを用いて、前面パネルをくりぬきます。なお、きれいにカットできず曲がっていても問題ありません。多少曲がっていても、最後は印刷済みパネルをかぶせますので、切った部分は全く見えなくなります。気にせず作業しましょう。
{{https://desktopstation.net/blog/wp-content/uploads/2021/05/HACX_Case1.jpg?400}}
以下のようにカットをしていきます。端を少し残すのがポイントです。
{{https://desktopstation.net/blog/wp-content/uploads/2021/11/image-9.png}}
超音波カッターでカットした様子が下記です。
{{::hacxr4_newpanel3_mini.jpg|}}
カットした部分を取り除いた様子です。超音波カッターは、溶かしながら切りますので、切断面は少し盛り上がります。このため、デザインナイフや彫刻刀等を用いて削り取る必要があります。
{{::hacxr4_newpanel4_mini.jpg|}}
また、ねじの形をした部分が四隅に4つありますが、少し出っ張っていてアクリルパネルを載せたときに干渉するので、デザインナイフか彫刻刀で少し削り、周りの高さと合わせるようにしてください。
{{:undefined:hacxr4_newpanel4_miniredarrow.jpg?400|}}
==== 印刷済用紙の穴あけ加工 ====
カッターやデザインナイフを使って、穴あけ加工をしてください。
{{::hacx_overall_r2_svg_simple.png|}}
ご自分で印刷できるように、元データを添付いたします。
{{ ::hacx_overall_r2_svg_simple.zip |HACX R4 SVGデータ}}
[[https://inkscape.org/ja/|inkscape]](フリーソフト)で編集、印刷が可能です。
==== 基板とOLEDの取り付け ====
OLEDの位置が若干ずれていますので、基板とアクリルパネル、印刷済み用紙の位置を調整しながら設置してください。
スペーサーとM3ネジで、トップパネルと基板を固定していきます。
==== トップパネルのビス止め ====
基板とOLED、印刷済み用紙を取り付けたトップパネルを、ビスで固定します。
Φ2mm未満のピンバイスを用意し、ビスで固定する前に予備的に穴を軽く掘ります。ビスが食い込む程度で良いので、1mm弱ほど彫り込んでください。四隅に穴を開けます。トップパネルを載せた状態で行うと良いでしょう。
付属のビスで本固定します。もし何度かビスを取り付けし直して、穴が使用できなくなってしまった場合には、少し大きめのビス(付属のビスは2.3mmのタイプです。2.5mm~2.7mm程度のもの)をご自分で用意すると、復旧できます。
==== コネクタの取り付けと下側ケースの装着 ====
DCジャックケーブルと、フィーダケーブルを上側ケースの下の位置に固定します。
{{::sx_connector.jpg?400|}}
===== 仕様 =====
|出力電流 | 2.0A 連続運転可能, 瞬時最大4.5Aまで|
|電圧 | 12Vまたは 15V(KATO製SX用専用ACアダプタに準ずる)|
|保護機能| 過電流保護(4.5A超)または過電圧・低電圧保護(8V以下または20V以上でエラー)|
|DCC| SpeedStep128固定, 最大同時運転台数 1車両, F0-F28操作可能|
|アナログ運転 | PWMパルスによるアナログ車両の運転機能有|
※保護機能を過信せず、ショートや脱線時はパワーオフを心掛けてください。
===== 使用方法 =====
ボタンは以下のように定義されています。
{{::dshacx4_howtouse1.png?400|}}
^ Dir | 進行方向の切替|
^ HOME | メニュー呼び出し|
^ FNC | ファンクション呼び出し|
^ ENTER | 確定・ファンクションON/OFF|
^ UP/DOWN |選択切替、アドレス変更 |
HOMEメニューには、以下の項目が用意されています。
^Loco | 車両の運転|
^Turnout| ポイント・信号の切り替え|
^LocoAdr| アドレスの読み書きモード、Loco運転モードへのアドレス反映|
^Read CV| CVの読み出し|
^WriteCV| CVの書込み|
^Analog | PWMアナログパワーパックモード |
===== ファームウェア =====
ファームウェアの著作権は放棄されていません。ファームウェアを用いて製品の開発・ビジネス・商業利用を行うには、DesktopStationとライセンス契約が必要です。なお、個人や模型クラブ内で、非営利目的により少量の野良HACXを作る場合には例外的に使用しても構いません。((DesktopStationの頒布を阻害する行為を禁止する目的としています。))
* [[https://desktopstation.net/bin/DSHACX4_002.zip|Firmware 002]] July 18,2021 リリース候補
* [[https://desktopstation.net/bin/DSHACX4_001.zip|Firmware 001]] May 30,2021 TEST版2(超上級者専用)
* [[https://desktopstation.net/bin/DSHACX4_000.zip|Firmware 000]] May 30,2021 TEST版(超上級者専用)
使用ライブラリ
OzOLED LGPL2.1\\
MCore (DesktopStation内製) 独自ライセンス
===== 頒布 =====
[[https://desktopstation.net/shop/products/detail/84|DesktopStationオンラインストア]]で頒布を行っています。KATOパワーパックSXは別途購入ください。
|PCBセット|秋月電子で購入可能な部品を除く基板・部品のセット| 3980円 |
|キット |すべての部品のセット| 5980円 |