====== ExpBoard M21 ENDO ====== ブラス鉄道模型メーカーのエンドウ、およびカツミ向けに使用できるMTC21対応の汎用のサウンドデコーダ向けのDCCコネクタ引き出し基板です。室内灯と一体型になっています。LokSound5 MTC21で使用することを前提に設計していますが、その他のメーカーでも動作は可能と推察されます。 関連するシリーズ製品は以下の通りです。 * [[ExpBoardNext18]] KATO HO向け引き出し基板 * [[ExpBoardGeneral]] HO汎用向けのNext18配線引き出し基板 * [[ExpBoardECN]] Nゲージ向けNext18対応配線引き出し基板 * [[ExpBoardYPSuperShort]] ===== 特徴 ===== * 188mm x 20mm幅(SHORT版は175mm)で、エンドウおよびカツミのブラス車両への対応を想定\\ (すべての車両に搭載することを保証するものではありません) * MTC21 DCCコネクタに対応 * エンドウの室内灯基板サイズと互換、DCCコネクタを一体型 * 両極性基板の機能を統合。電子部品を取り付けると、HEADとTAILは両極性専用になります。 * 床板側に接続する端子は、1.27mmのピンヘッダパターンを用意。コネクタ化も容易。 * スピーカー端子を2か所に用意 * AUX2を側面幕・車側灯の箇所に用意。リアル感を高められます。 * 室内灯はAUX1に割り当て済。 * AUX1,2,3,4のパッドを先頭車側に用意。 エンドウの車両の例。この室内灯を交換できます。 {{::expboardendo_4.jpg?400|}} ===== 基板 ===== 基板サイズは188x20mmです。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/ExpBoardYP_PCB-thumbnail2.png}}\\ [[http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/ExpBoardYP_PCB.png|拡大]] 部品を半田付けすると以下のようになります。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/EypBoardYP_9-thumbnail2.jpg}} エンドウ純正の室内灯との比較。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/EypBoardYP_1-thumbnail2.jpg}} ===== 部品表 ===== キットには、IC1とIC2が付属します。その他の部品は、[[http://akizukidenshi.com/|秋月電子]]でご購入頂けます。\\ D1とD2は直列になっており、逆にしても回路の動作に支障はありません。また、コンパチ品は多数のため、お手持ちの部品を使っても差し支えありません。 ^シルク ^仕様 ^Package ^マーク ^入手先 ^注文番号 ^ |なし(LED)| LED | 1608 | ((*緑側がK)) |秋月電子 | [[http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-11882/|1608 白LED]] | |なし(1608)| 抵抗 2.2k~4.7k| 1608 | 無極性|秋月電子 |[[http://akizukidenshi.com/catalog/c/csmd0603/|リール抵抗各種]] | |IC1 | Rohm FMA1A\\ PNP Dual Digital Tr | SOT-25 |A1 |MOUSER |755-FMA1AT148 | |IC2 | Rohm FMG3A\\ NPN Dual Digital Tr | SOT-25 |G3 |MOUSER |755-FMG3AT148 | |D1 | NSI45020AT1G\\ CRD 20mA |SOD-123 |AD |MOUSER/秋月電子 |863-NSI45020AT1G,\\ [[http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-06133/|I-06133]] | |D2 | RB160M-30TR\\ SBD(1A/30V) | SOD-123 |73 |秋月電子 | [[http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01398/|I-01398]]| |MTC21(無印向け) | 1.27mm 26ピン |DIP |- |秋月電子 |[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-13802/|C-13802]] | |MTC21(SHORT向け) | 1.27mm 40ピン |SMD|- |秋月電子 |[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-10704/|C-10704]] | LEDについては、お好みをお選び下さい。当方では、ロームの[[http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-11882/|SMLE13WBC8W1]]を愛用しています。 ===== 端子の説明 ===== ^端子名 ^機能 ^備考 ^ |MTR+/MTR-| モータへの出力配線 | | |HEAD | ヘッドライト出力 | 両極性部品((*IC1,D1,D2))を付けると両極性出力 | |TAIL | テールライト出力 | 両極性部品を付けると両極性出力 | |AUX1 | 室内灯共通AUX出力。POWER出力。| |AUX2 | AUX出力2 | 使い方はデコーダ次第。POWER出力。 | |AUX3 | AUX出力3 | 変換回路搭載のためPOWER出力となります。| |AUX4 | AUX出力4 | 変換回路搭載のためPOWER出力となります。| |TRK+/TRK- | 線路からの配線 | | |COM+ | 直流コモン| AUX、HEAD,TAIL用| |GND| 直流コモンに対するGND | トマランコンデンサ向け | **HEAD,TAIL,AUX1,AUX2,AUX3,AUX4**は、抵抗を直列に置いたLEDを接続してください。電球は想定しておりませんので、自己責任にてご利用ください。 ===== AUXの使い方 ===== DCCでライトの配線を行う場合には、両極性モードと、オープンコレクタモードの2種類があります。両極性モードはアナログで一般的に使われるのでなじみがあると思います。 一方でオープンコレクタモードは、電気屋さんはご存じとは思いますが、模型ではあまり聞きなれないかと思います。ようは、「ONすると内部のスイッチもONして電流が流れるようになる」モードと思ってください。 ==== 両極性モードのHEAD,TAIL ==== 両極性モードのHEAD,TAILにつながるLEDは、以下のようにLEDを逆並列に配線して繋げることになります。これは、通常のアナログのライトユニットと全く同じ配線構成です。ライトユニットは、テールライトのLEDと、ヘッドライトのLEDが、ちょうど逆同士でつながっている形(逆並列と呼びます)になります。 {{::auxwiring_2.png?200|}} ==== AUX,HEAD,TAIL ==== COM+という配線はプラス側の電圧がかかります。AUX1,2やHEAD,TAILは、ファンクションなどでONされると、マイナス側に内部のスイッチが繋げてくれます(電気屋界隈では、この動きを、オープンコレクタとかオープンドレイン、引き込む(sink)と言います。台所のシンクに排水が流れるのと同じです。)。OFFのときは、内部のスイッチがOFFなので、マイナス側につながらないので、電流が流れず、ライトがつきません。 下の図ではAUXと書いてありますが、両極性モードでないHEAD,TAILの場合は、AUXと同じように配線できます。通常のDCCデコーダやDCC対応車両は、この配線のようになっています。 抵抗の位置は、LEDの前後のどちらでも問題ありませんが、LEDの極性はCOM+側になる方がLEDの線が長い方(A,アノード)となるように選びます。 {{::auxwiring_1.png?200|}} ===== 作成作業 ===== MTC21を差し込みピンヘッダ裏は、絶縁テープなどで保護すると車体との接触によるショートのトラブルを抑制できます。 両極性ヘッドライト・テールライト機能を使う場合は、D1,D2,IC1の部品の位置や方向は以下の写真を参考にして下さい。D1とD2は逆でも動作します。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/EypBoardYP_10-thumbnail2.jpg}} AUX3,AUX4を使うときに使用するIC2は以下の写真を参考にして下さい。 {{http://buin2gou.sakura.ne.jp/sblo_files/powerele/image/EypBoardYP_11-thumbnail2.jpg}} ==== 施工例 ==== * [[http://powerele.sblo.jp/article/187486562.html|エンドウ近鉄22000の塗装済みキットをDCCサウンド化する]] (エンドウ 近鉄22000系 M車) * [[http://powerele.sblo.jp/article/187554007.html|エンドウ近鉄22000のT車のDCC化]] * [[http://powerele.sblo.jp/article/188079246.html|エンドウのHO E353をDCCサウンド化する]] (E353 HO M車の加工) * [[http://powerele.sblo.jp/article/188084403.html|エンドウのHO E353をDCCサウンド化する その2]] (E353 HO 先頭車・T車の加工) エンドウ製品だけでなく、KATO クモハ40(HO プラ)も、ExpBoardYPを装着できる空間が例外的にあるため、搭載可能と思われます。 ===== 頒布 ===== DesktopStation部品頒布で頒布中。 * ExpBoard M21 (旧YP) エンドウ室内灯サイズ版(販売終了、SHORT版をどうぞ) * 10035 [[https://desktopstation.net/shop/products/detail/67|ExpBoard M21 (旧YP) SHORT]] ブラス・HOプラ一般向けサイズ版 * 10039 [[https://desktopstation.net/shop/products/detail/85|ExpBoard M21 (旧YP) SUPER SHORT]] 46mmのコンパクトサイズ版 * 10044 [[https://desktopstation.net/shop/products/detail/114|ExpBoard M21 (旧YP) LONG]] 220mmのロングサイズ版 価格は、たまにセールをしますがおおよそ500円/枚としてます。 基板のみです。部品は付属しません。秋月電子では購入しにくい両極性やAUX3,4用の部品は、別途、[[https://desktopstation.net/shop/products/detail/48|商品コード10027]]として頒布していますので、ご購入下さい。 ===== FAQ ===== ==== 両極性機能って何? ==== アナログ車両のヘッドライト・テールライトの制御は、電圧の方向を逆にして変えるのが一般的です。電圧の方向が2つあるので、これを両極性と呼びます。 一方、DCCでは両極性ではなく、ライトを個別に細かく制御できるようにオープンコレクタ出力(共通の電源端子COM+と、各機能端子の間にLED等を配線する)と呼ばれる配線を行う必要があります。 両極性機能は、一般的なアナログのヘッドライト・テールライトユニットをそのままDCCで使えるようにするための機能です。 TAILとHEADをそのまま、アナログのヘッドライト・テールライトユニットにおつなぎ頂くだけとなります。 ==== 両極性機能を使いたくない場合は? ==== D1,D2,IC1の部品は半田付けしないで下さい。これらの部品を半田付けすると、HEADとTAILは両極性モード専用として使用することになります。 ※IC2は両極性機能に関係ありません。 ==== MTC21のピンヘッダはカットしないと入らないのでは? ==== その通りです。11x2のサイズにカットしてお使いください。 ==== IC2を半田付けしないとどうなる? ==== AUX3,AUX4が使用できません。それ以外の問題はありません。AUX3,AUX4を使いたい場合は、必ずIC2をはんだ付けしましょう。 ※D1,D2,IC1は、AUX3,AUX4の機能に関係はありません。 ==== LEDの抵抗はどう決めれば良い? ==== 2.2~4.7kΩで、明るさに応じて選定下さい。もっと抵抗値を低くしても良いですが、デコーダの出力電流容量以内となるように設計して下さい。"LED 抵抗値 計算"で検索すると、計算の仕方が紹介されています。 ==== 基板の裏側の接触は大丈夫? ==== ExpBoard M21 (旧YP)の裏側(LEDが無い側、屋根側)には、電気的な接点となる端子が複数配置されてます。ブラス車両では、接触するとショートの危険があります。 ボード側にテープを貼って絶縁対策を行うか、車両の屋根側にテープや絶縁処理の塗装などを行って、対策を実施して下さい。