DCCサウンドの作り方 その3

今回は、収録してきたサウンドの加工について挙げます。
加工で行う作業は以下のものです。
・必要な音を取り出す
・不要な音を消す(ノイズ低減処理、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタなど)
・音の大きさを適切に直す(増幅、ノーマライズ)
・音のループを作る(警笛、SIV、ベル、ディーゼルのアイドル音、吹き上がり音など)
これらは、先ほど紹介した無料のサウンド編集ソフトのAudacityで行えます。
基本的な操作は、入門サイトなど自分で調べて頂ければ幸いです。私がよく使うフィルタは以下です。
Audacity_Filter.png
特に使うのが”ノイズ低減”です。たとえば、以下のように、ドア開閉音があるとします。
Audacity_door1.png
ホワイトノイズやバックの音を消したい時、以下のようにバックグラウンドの音が入り込んだエリアを選択します。
Audacity_door2.png
ノイズ低減を選択して、選択エリアをノイズとして登録します。
Audacity_door3.png
次に、ノイズを低減したいエリアを選択します。ここでは全部です。バックグラウンドの音は、ドア開の音全体に入り込んでいます。この音を消すことで、ドア開の音だけを抽出できるのです。
Audacity_door4.png
再度、ノイズ低減を呼び出して、調整します。除去のレベルはさじ加減をプレビューで確認しながら行います。かけ過ぎると、キンキンな変な音になるので、ギリギリを狙って再調整を繰り返します。
Audacity_door5.png
ノイズ低減処理でOKを押すと以下のように低減されます。バックグラウンドの音が小さくなって、キレイになっているのが分かります。
Audacity_door6.png
前後を切り落として、ドア開だけの音になるように長さを調整します。
Audacity_door7.png
あとは、音の大きさを調整するために増幅したりするなどして、微調整すれば完了です。WAV形式で保存すれば、LokProgrammerに登録して、DCCデコーダから音を出すことができます。
■走行音の加工・編集
まず、走行音。以下はYOMIXさんのディーゼル音(キハ261)の例。
Audacity_DIESEL_K261_1.png
次は、かわけいさんにもらった、東急50×0電車の例。
Audacity_VVVF_TQ_1.png
ディーゼルと電車では、作成のアプローチがまったく異なります。
ディーゼルは、エンジンを吹かす音、ギアチェンジの音、ターボ音などが変速ごとに変わるので、その組み合わせを順に切り替えていくようにサウンドを加工していきます。変速が切り替わった後に、自然なように音を弄るのがポイントです。惰行は、アイドル音のガラガラ音だけなので、走行風の音や、レール継ぎ目音を入れて自然になるように調整する形です。減速はブレーキ音のキキー音や、機関ブレーキの音が中心なので、そこを重ねて出せば良いです。
電車の場合は、加速と減速の両方の音を6~7の段階に切り刻んで作成します。VVVFは減速でも特有の音がありますので、速度に応じて鳴るように、減速音をきちんと作らないといけません。
作り方や編集のアプローチが違うので、そこは気をつけて作っていきましょう。それではディーゼルの走行音の切り刻み方を説明します。
まずは、VVVF音の編集について、次に説明していきたいと思います。

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