前回のオシロ調査を踏まえ、ドイツ・ローデシュワルツ(Rohde & Schwarz)のRTB2002を購入しました。日本電計の個人向け?販売サイトの計測器ワールドで購入しました。価格は17万円弱です。まあ、個人の電子工作趣味で買うにはちょっと高いですよね・・・。機能は落ちますが、RTCシリーズだと10万円弱で、個人向けも視野に入りますが、ローデシュワルツが買収する前の旧HAMEGの設計のものなので、ちょっと中華オシロと性能や機能が近いというところで避けた次第です。
購入に至った経緯は、過去ブログを見ていただければと思いますが、性能や今までの中華製の不満点をクリアーにできる見込みがあったというところです。そして、計測器メーカーとしては一流のところなので、その点でも期待したところです。一流メーカーでド定番のオシロと言えば、テクトロを買うのが普通ですが、それではつまらないので、ローデシュワルツを選んだという次第です。
送られてきた受領物です。ドイツから、日本支社に送られてきたもののようです。ラベルがそうなってました。
中身はこんな感じです。
製造はチェコ共和国です。ローデシュワルツの工場があるんですかね?RTCシリーズもチェコ製のようです。
さっそく動かしてみました。まずはプローブの調整。サンプリングも分解能も非常に高いので、見えすぎて逆に調整がしにくいですね・・・。
そのままDCCパルスを観測。耐圧は、300V(ピーク)なので、DCC信号は余裕で見られます。電圧の問題は何もありません。そんなことよりも、このRTB2002の良いところは、20Mサンプルのメモリを持っているところです。たとえば、10秒間のパルスを観測してみます。
これを、拡大すると、なんと50us/divまで拡大してもしっかりと表示できます。細かいオーバーシュートなどは欠落してますが、パルスパターンを見るには全く問題なし。コレは凄いです。細かい信号まで、あとからじっくりと分析できるわけなのであります。
RailComのカットアウトも確認しました。こちらも、大きくサンプリングして、拡大して探して表示したものです。普通のオシロだと、かき消されることが多いので、きちんとメモリで持っておけるというのはデバッグ時には非常に強力です。
メモリも大事なんですが、サクサク感というところも大事であります。前提的な、ツールとしての作りこみは、ローデシュワルツはさすが、というところです。HAMEGの技術をしっかりと受け継いでいるので、最新のUIを採用しつつ、細かいところはしっかりと動くように見えます。
見た目だけ派手な一部の安価な中華オシロとは別格であると、強く感じた次第です。もちろん、中華オシロも安価で気軽に買えることや、最先端のギミックを少々無理はありますが入れ込むというチャレンジもしているので、非常に素晴らしいものであるのですが、使っていくとどうしても細かい点では気になることが多かったのも事実です。安価な中華オシロで勉強させてもらい、技術を磨いたら、より電子工作の効率を向上できるものにステップアップしていくと良いのかもしれません。