サウンドプログラミングの実装方法

現在開発中のオープンサウンドデコーダですが、一番重要なのがサウンドプログラミングの実装方法です。コンペチターの状況を見てると、以下のような形です。

ESU社 LokProgrammer

毎度おなじみのESU社のLokProgrammer。サウンドプログラミングは、典型的な状態遷移プログラミングです。グラフィカルで表示に丁寧に実装されており、分かりやすいです。現時点で、世界でグラフィカルにサウンドプログラミングを実装できるのはESU社だけです。

ZIMO社 ZSP(ZIMO Sound Programmer)

VisualBasicで作ったような、フローチャート風な状態遷移を定義してサウンドプログラミングする模様です。スクリプトでも入力できるようです。ESU社のLokProgrammerよりは自由度という面では、機能は劣る感じがしています。

Uhlenbrock社 Intelli Sound Creator

蒸気機関車やその他の状態遷移があらかじめテンプレートで用意されていて、そこにファイルを当てはめていくものになっています。ZIMO社やESU社と違って、何でもかんでも作れるというものではありませんが、当てはまればサウンドデータとしては作りやすいかもしれません。Uhlenbrock社のデコーダはPIKOでよく使われているので、PIKOも同じシステムと思われます。

Digitrax社 Sound Loader

Uhlenbrock社に近いですが、あらかじめ定義された状態・モードに、音を割り当てていく形です。

Doehler & HaassSound project editor software

こちらもあらかじめ定義された状態遷移に応じて当てはめていく方式。Brawa向け?

その他メーカー

サウンドプログラミングは限定的、もしくはCV調整のみ。


サウンドデコーダをリリースしているメーカーは結構ありますが、ユーザーが自由にサウンドを書き換えして機能を変更できるシステムを採用しているのは意外と多くありません。特に、ZIMOやESU社のように自由に許容しているメーカーはごく一部です。なぜかというと、サウンドデコーダ自体にユーザープログラムの実行エンジンを実装することと、そのユーザープログラムを平易に開発可能なローダープログラムの開発とそのメンテナンスには、大規模なソフトウェア開発(=ソフトウェアエンジニアの雇用)が必要で、資金力・技術力がものを言うからです。ソフト開発に詳しい方なら、そろばんを弾いてどれくらいかかるかはすぐに計算できるでしょう。

ベンチャー・フォロワーであるデスクトップステーションとしては、当然ながら世界No.1へチャレンジするべきと考えます。つまり、状態遷移プログラミングを、グラフィカルに実装できるソフトウェアを提供することを目標とおきたいと考えております。年単位の時間はかかるでしょうが、徐々にNo.1に近づいていきたいと考えております。

開発環境は、既にDesktopStationSoftwareで実績のあるC#を採用します。なので、申し訳ないですが、LinuxやMacユーザーの方は、WineやBootcamp等で動かしてもらうしかないです。なお、デコーダへの書き込みについては、Raspberry Pi Picoのシステムを踏襲しますので、MacやLinuxでも問題なくできると思います。

まずは、基盤となる技術である、グラフィカルな状態遷移プログラミングUIの実装、状態遷移のデータ表現、デコーダの実行エンジンの構築に取り組んでまいりたいと思います。

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