DCCコネクタは必要か

デジタル鉄道模型車両にDCCデコーダを搭載するとき、DCCコネクタを使う事で搭載作業を簡略化することができます。古くはNEM652(NMRA 8ピン)やJSTピン、NEM651ピン、2010年代からは多ピンタイプのNext18やMTC21が普及してきています。

DCCコネクタを使わずに、いわゆる永久接続型で車両に一体的に搭載する方法もあります。以前の多くのユーザーは、この方法を取られてきたかと思います。カンタム等の一部の模型メーカーは、交換不可としてDCCシステムを車両に搭載しているケースもあります。

まとめると、以下のような種類があることになります。

Case搭載タイプ模型車両搭載方法実例
1DCCコネクタDCC非対応ExpBoardやEC-Slimシリーズの使用日本型の多くの車両
2DCCコネクタDCC対応備え付けられたDCCコネクタにデコーダを装着欧米の車両、一部の日本型車両(DCCフレンドリー,NEM652等)
3永久接続DCC非対応従来のユーザー加工による搭載過去の日本型車両のDCC対応
4永久接続DCC搭載済なし(DCC搭載済)カンタム等

どの方法が一番か、というのはケースバイケースでありますが、弊社としてはサードパーティであり、模型メーカーではないことから、DCC非対応の車両に対して、デコーダを速やかに装着できるようにするソリューションを提供する方法が主となります。故障時の対応も、DCCコネクタであると取り外しが容易ですので、ユーザーとしてもメリットがあります。

現時点では、ExpBoardシリーズをTRAINO様と共同で展開しており、Case1を軸にしています。Case3を軸にしていない理由は、ユーザー加工による故障や損傷事例が非常に多数報告されており、DCCを忌避する原因の一つとなっていることが分かっているからです。車両ごとに最適な形状で容易に搭載できるのであれば、この問題は解決できますが、多種多様な車両が市販されているため、最適形状のデコーダを提供する事が、コスト的にも非常に難しいのが実情です。

DCCコネクタの問題(コスト、入手性等)も多くあるのですが、メリット・デメリットを整理していくと、DCCコネクタを使用することは現時点で最適解という見解です。今後、模型メーカーの動きによっては大きく変化する可能性も否定はできませんが、皮算用となってしまいますので、現実的に進めていくことが重要であると、弊社は考えます。

NゲージはNext18、HOはMTC21という軸で進めていきます。一時期、PluXも検討しましたが、既にMTC21のプラットフォームが国内で普及し始めているため、MTC21を軸にする方が望ましいという判断をしています。

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