DCCサウンドで遊ぶとき、集電不良でお困りのケースがたまに出るかと思います。もし、線路電圧を上げることが可能であれば、線路電圧を上げることをお勧めします。
最初に申しますが、根本的には、車輪・線路の清掃、フィーダ線を太くする、線路も接触抵抗をなくす(ジョイントを改善する、ジョイント特性のいい線路を使用する)、全車集電が、もっとも着実・確実な方法でありつつも、実践は困難が伴うということは、頭の片隅に必ず置いてください。これらは、博物館などの鉄道模型レイアウトにおいて、多額の投資をして実践されている方法です。最終的には、皆さんも実践する必要があります。
電気的な対策は、最終手段であり、第一選択肢ではありません。
それでは、説明をしていきます。
特にDCCサウンドは、サウンド再生にエネルギーを消費するため、線路に流れる電流が増加します。走行条件にもよりますが、経験上、約2倍になる場合があります。つまり、線路で落ちてしまう電圧(電圧降下)も大きくなり、デコーダに搭載されているコンデンサのエネルギー量が低下します。
以下は、コンデンサにチャージされるエネルギーと電圧の関係です。鉄道模型車両上において、220uFのコンデンサがDCCデコーダ上にあると仮定しましょう。電圧の二乗に比例してエネルギーがチャージされます。このため、線路電圧が下がってしまうと、デコーダに搭載されたコンデンサのエネルギーは電圧が下がる以上の比率で、下がってしまいます。
よって、線路電圧を上げる(ACアダプタを変える)だけでも、大きく改善する場合があります。Nの場合は12Vではなく、13V~15V(車両の耐圧にご注意ください)、HOなら16~17Vを使うなどです。
なお、電気二重層コンデンサ等を使用したコンデンサシステムの場合は、この限りではないのでご注意ください。