高分子コンデンサの選び方

よくある円柱の大きな電解コンデンサと比較し、体積あたりの容量が非常に大きく四角形で模型の中に入れやすい高分子コンデンサが、密かに人気があります。しかし、お値段が電解コンデンサの10倍近くなのが玉に瑕です。

現在、弊社の別売パーツとして販売しているのは、京セラAVXのTCN4227M025R0100Eです。耐圧25Vで容量220uFですが、なんとサイズが7.3×6.1×2.0mmと小型です。

耐圧という意味が分からない方が迂闊に手を出すと故障の原因になるので、完全に自己責任となり、弊社としても恐ろしくて分売できませんが、使い方を限定し、選定を工夫すると、さらに容量を倍増したものを選ぶことができます。

耐圧を25Vから16Vに下げると、同じサイズで470uF

実は同じサイズ(京セラAVXの呼び名でCASE SIZE 4)ながら、耐圧を16Vに下げると、TCN4477M016R0070Eという製品が登場します。MOUSERで1個1000円くらいです。MOUSERは弊社のようなゴリゴリの電機屋でなくても、一般の方も購入できます。高分子コンデンサの中でも特にマニアックな製品なので、秋月電子や秋葉原の部品屋さんには売ってません。ご注意を。

耐圧を16Vに下げるという意味は、線路電圧で12~15Vくらいでしか使えない、という意味です。一部のユーザーさんは18Vで運用されているケースもあり、この電圧で利用すると壊れます。さらにHO・ブラス車両に使うことは大厳禁です。重い車両は急ブレーキを掛けたときにデコーダ内部の電圧がモータの逆起電圧の影響で跳ね上がるので(スケール・ゲージを無視した不適切なデコーダ選定による焼損原因の一つ)、このコンデンサの耐圧を超えるリスクがあります。

制約事項が多く、安全マージンも大きく下がることから、弊社では分売できませんが、ちゃんと使い方がわかる方が使うと、効果が絶大になります。なにせ同じサイズでコンデンサ容量倍ですから。

弊社としては一切推奨しませんが、NやZゲージを利用し、耐圧16V未満で利用する環境であること、ご自身の管理・責任の下で使用されるのであれば、選択肢となるのではないでしょうか。

耐圧を25Vから20Vに下げると、同じサイズで330uF

ちょうど25Vと16Vの中間に耐圧20Vの製品群があり、容量として330uFの製品であるTCN4337M020R0100Eがあるようなのですが、どこも在庫がなく、一般流通していないように見えます。比較的、安全性も高まりつつ容量もいいとこ取りなので、悪くないとは思いますが、入手できないので評価も難しいところです。

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