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ExpBoard M21 Super SHORT
ブラス鉄道模型メーカーのエンドウ、およびカツミ向けに使用できるMTC21対応の汎用のサウンドデコーダ向けのDCCコネクタ引き出し基板です。室内灯と一体型になっています。LokSound5 MTC21で使用することを前提に設計していますが、その他のメーカーでも動作は可能と推察されます。
関連するシリーズ製品は以下の通りです。
- ExpBoard N18 KATO HO KATO HO向け引き出し基板
- ExpBoard N18 General HO HO汎用向けのNext18配線引き出し基板
- EC-Slim V3 になりました Nゲージ向けNext18対応配線引き出し基板
- ExpBoard M21 ENDO エンドウ・ブラス向けMTC21対応配線引き出し基板(室内灯機能付)
特徴
- 46mm x 20mm幅。MTC21対応デコーダを取り外し可能にしつつ自由に配置できます。
- MTC21 DCCコネクタに対応
- スピーカー端子を2か所に用意
- AUX3,4,5,6をロジック出力(3.3V/5.0V)からパワー出力に変換する回路を標準搭載
- AUX1,2,3,4,5,6を用意。抵抗パッドも用意しているのでLEDを付けるだけで制御可能。
基板
部品表
必要な抵抗、コネクタ、ICは実装済です。
端子の説明
下記に端子の説明を示します。なお端子名のカッコ書き内は、抵抗を介した出力となります。つまりLEDのみを繋げる形となります。
端子名 | 機能 | 備考 |
---|---|---|
TRK1 | 線路の左(右)配線 | 線路配線は左右を入れ替えても良い |
TRK2 | 線路の右(左)配線 | 線路配線は左右を入れ替えても良い |
M+/M- | モータへの出力配線 | |
HD(RH) | ヘッドライト出力 | 両極性部品1)を付けると両極性出力 |
TL(RT) | テールライト出力 | 両極性部品を付けると両極性出力 |
A1(R1) | AUX出力1 | 使い方はデコーダ次第。POWER出力。 |
A2(R2) | AUX出力2 | 使い方はデコーダ次第。POWER出力。 |
A3(R3) | AUX出力3 | 変換回路搭載のためPOWER出力となります。 |
A4(R4) | AUX出力4 | 変換回路搭載のためPOWER出力となります。 |
A5(R5) | AUX出力5 | 変換回路搭載のためPOWER出力となります。 |
A6(R6) | AUX出力6 | 変換回路搭載のためPOWER出力となります。 |
SP+/SP- | スピーカー | 4Ω~16Ωのスピーカーを用意ください |
C+,COM+ | 直流コモン | AUX、HEAD,TAIL用 |
G,GND | 直流コモンに対するGND | トマランコンデンサ向け |
HD,TL,A1,A2,A3,A4,A5,A6は、抵抗を直列に置いたLEDを接続してください。電球は想定しておりませんので、自己責任にてご利用ください。LEDは、C+にアノード(+)、カソード(-)側を各端子に繋ぎます。
RH,RT,R1,R2,R3,R4,R5,R6は、抵抗を基板上に置いているため、外部に抵抗は不要です。LEDのみを接続してください。電球は想定しておりませんので、自己責任にてご利用ください。LEDは、C+にアノード(+)、カソード(-)側を各端子に繋ぎます。
AUXの使い方
DCCでライトの配線を行う場合には、両極性モードと、オープンコレクタモードの2種類があります。両極性モードはアナログで一般的に使われるのでなじみがあると思います。
一方でオープンコレクタモードは、電気屋さんはご存じとは思いますが、模型ではあまり聞きなれないかと思います。ようは、「ONすると内部のスイッチもONして電流が流れるようになる」モードと思ってください。
両極性モードのHEAD,TAIL
両極性モードのHEAD,TAILにつながるLEDは、以下のようにLEDを逆並列に配線して繋げることになります。これは、通常のアナログのライトユニットと全く同じ配線構成です。ライトユニットは、テールライトのLEDと、ヘッドライトのLEDが、ちょうど逆同士でつながっている形(逆並列と呼びます)になります。
多くのライトユニットは、DCCデコーダ向けに配線を用意していませんが、両極性基板を介すことで、デコーダのTAIL/HEAD/COM+と接続できるようになります。
AUX,HEAD,TAIL
COM+という配線はプラス側の電圧がかかります。AUX1,2やHEAD,TAILは、ファンクションなどでONされると、マイナス側に内部のスイッチが繋げてくれます(電気屋界隈では、この動きを、オープンコレクタとかオープンドレイン、引き込む(sink)と言います。台所のシンクに排水が流れるのと同じです。)。OFFのときは、内部のスイッチがOFFなので、マイナス側につながらないので、電流が流れず、ライトがつきません。
下の図ではAUXと書いてありますが、両極性モードでないHEAD,TAILの場合は、AUXと同じように配線できます。通常のDCCデコーダやDCC対応車両は、この配線のようになっています。
抵抗の位置は、LEDの前後のどちらでも問題ありませんが、LEDの極性はCOM+側になる方がLEDの線が長い方(A,アノード)となるように選びます。
下記の図は、ExpBoard YPのA1,2,3,4,5,6で使用する場合の例です。R1,1,2,4,5,6を使用する場合には、抵抗器を省略してください。
装着例
施工例
- エンドウ近鉄22000の塗装済みキットをDCCサウンド化する (エンドウ 近鉄22000系 M車)
- エンドウのHO E353をDCCサウンド化する (E353 HO M車の加工)
- エンドウのHO E353をDCCサウンド化する その2 (E353 HO 先頭車・T車の加工)
エンドウ製品だけでなく、KATO クモハ40(HO プラ)も、ExpBoardYPを装着できる空間が例外的にあるため、搭載可能と思われます。
頒布
DesktopStation部品頒布で頒布中。
- ExpBoard YP エンドウ室内灯サイズ版
- ExpBoard YP SHORT ブラス・HOプラ一般向けサイズ版
価格は、おおよそ500円弱/枚としてます。
基板のみです。部品は付属しません。秋月電子では購入しにくい両極性やAUX3,4用の部品は、別途、商品コード10027として頒布していますので、ご購入下さい。
FAQ
両極性機能って何?
アナログ車両のヘッドライト・テールライトの制御は、電圧の方向を逆にして変えるのが一般的です。電圧の方向が2つあるので、これを両極性と呼びます。
一方、DCCでは両極性ではなく、ライトを個別に細かく制御できるようにオープンコレクタ出力(共通の電源端子COM+と、各機能端子の間にLED等を配線する)と呼ばれる配線を行う必要があります。
両極性機能は、一般的なアナログのヘッドライト・テールライトユニットをそのままDCCで使えるようにするための機能です。
TAILとHEADをそのまま、アナログのヘッドライト・テールライトユニットにおつなぎ頂くだけとなります。
両極性機能を使いたくない場合は?
D1,D2,IC1の部品は半田付けしないで下さい。これらの部品を半田付けすると、HEADとTAILは両極性モード専用として使用することになります。
※IC2は両極性機能に関係ありません。
MTC21のピンヘッダはカットしないと入らないのでは?
その通りです。11×2のサイズにカットしてお使いください。
IC2を半田付けしないとどうなる?
AUX3,AUX4が使用できません。それ以外の問題はありません。AUX3,AUX4を使いたい場合は、必ずIC2をはんだ付けしましょう。
※D1,D2,IC1は、AUX3,AUX4の機能に関係はありません。
LEDの抵抗はどう決めれば良い?
2.2~4.7kΩで、明るさに応じて選定下さい。もっと抵抗値を低くしても良いですが、デコーダの出力電流容量以内となるように設計して下さい。“LED 抵抗値 計算”で検索すると、計算の仕方が紹介されています。
基板の裏側の接触は大丈夫?
ExpBoard YPの裏側(LEDが無い側、屋根側)には、電気的な接点となる端子が複数配置されてます。ブラス車両では、接触するとショートの危険があります。
ボード側にテープを貼って絶縁対策を行うか、車両の屋根側にテープや絶縁処理の塗装などを行って、対策を実施して下さい。