ロジック出力とパワー出力、AUX3とAUX4

DCCには訳の分からない用語が満載で、鉄道模型ユーザーの方も、「こんな意味不明なモノ、考えたくもない!」という方が多いと思います。

私も激しく同意いたします。しかし、海外のDCC鉄道模型ユーザーや模型メーカーが政治的・技術的にやらかしてしまって、意味不明な仕様ができあがって、それが世界に普及してしまっているので、日本としてもグローバルスタンダードに合わせないとなりません。納得できませんが、日本は後追い・フォロワーの立場ですので、我々の立ち位置は低いということを、まずはご理解くださいませ。

この記事では、①ロジック出力とパワー出力と、②AUX3とAUX4の2つをご紹介したいと思います。摩訶不思議な仕様ですので、すぐ理解できないかもしれませんが、「そういうものだ」とまずは慣れていただければと思います。

①ロジック出力とパワー出力

DCCデコーダを使って、ヘッドライト・テールライトや室内灯などなどを動かすためには、AUXという機能を使います。auxiliaryの略で、補助端子とかいう意味合いです。DCCデコーダでは、ライトなんかをON/OFFできる信号の出力機能と思ってください。ライト以外だと、デコーダにも依りますが、ソレノイドやサーボなども動かせたりします。

しかし、ここに落とし穴があります。AUX機能には、「ロジック出力」と、「パワー出力」の2種類があり、ちょっと違う動きをします。実はこの2つ、関係性がありまして、ロジック出力→変換回路→パワー出力という構成になってます。AUX1やAUX2、ヘッドライト・テールライトの出力は、変換回路を介した後のパワー出力を出しています。一方、AUX3やAUX4は、ロジック出力そのままを出しています。MTC21だと、AUX5,6もロジック出力になります。パワー出力をロジック出力にするのは非常に面倒ですが、ロジック出力をパワー出力にするのは、以下のようにNPNトランジスタというのを使う事で、比較的簡単に作れます。ただし、キットや完成品を使う以外で、自作をしようとする場合は電子工作に慣れている方向けなので、よく分からない人は、最初はAUX1やAUX2までにしておいた方が良いです。

・ロジック出力とは?

ロジック出力とは、マイクロコンピュータ等が出力する信号そのまま(ロジック信号)を出力するという意味になります。基板の中で信号をやり取りする場合によく使われます。たとえば、アナログサーボモータ(秋月で売ってるような3ピンのサーボモータ)や、5V等の信号で動作する回路に適している出力です。鉄道模型の中で使うことを考えると、サーボを除いて、あまり用途は多くないと思います。変換回路を介することで、パワー出力にすることができます

・パワー出力とは?

専門用語で恐縮ですが、オープンコレクタ出力と呼ばれる回路になっています。基板から外の部品と信号をやり取りするときによく使われる方式です。ONのとき、AUXの端子がGNDになり、OFFのときは宙ぶらりん(電気屋はOPENや開放、ハイインピーダンスなどといいます)となるものです。数百mA程度、流せるものになっています。パワー出力の信号レベルの動きとしては、以下のようになります。

②AUX3とAUX4

AUX3とAUX4は、基本的にロジック出力です。ただし、LokSound5 の基板上に置かれているパッド(MTC21やNext18から出ているものではない方)では、パワー出力になっていたりします。これはLokSound5 の基板内に、パワー出力に変換する回路が搭載されているためであり、MTC21やNext18経由で使えるAUX3,4は、ロジック出力です。

なんで、MTC21やNext18で出力されるAUX3とAUX4は、ロジック出力なのか?私も経緯はよく分かりませんが、ロジック出力が必要となる、SUSIという日本では全く知られていない・流行ってもいないサウンド拡張システムやサーボモータを動かす用途が関係しているような気がしております。

以上より、MTC21やNext18から引き出されたAUX3とAUX4をライト関連などで使いたい場合、パワー出力に変換する回路を使用する必要があります。ExpBoard YPでは、変換する回路を搭載しているので、AUX3やAUX4を、パワー出力として使用できます。対応していないExpBoardもありますので、説明書をご覧いただきますようお願いします。

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