SmileSoundの低速域の調整には、CV9 PWMキャリア設定の変更も効果があります(ただしコアレスモータの場合はCV9=0を推奨)。
この設定は、PWMのキャリア周波数と呼ばれ、モータに流す電圧を流す時間(細かさ)を調整するものです。高ければ良いというものでもなく、高ければ高いほど、低速の動きが悪い傾向にあります。
PWMキャリア周波数を下げるとなぜ低速が良くなるかというと、電圧の長さが粗くなることで、うまくトルクが出やすくなるからです。DC12VをDuty10%でPWM波形を作ったときの2kHzと32kHzの差異を見てみましょう。以下は回路シミュレーションでの波形ですが、見ての通り、2kHz(赤色)のほうが電圧の幅が大きいことが分かります。これが、始動時の低速の効きを改善する効果となります。
デフォルトはCV9=0ですが、たとえば、VVVFな電車に使う場合は、CV9=8にしても、あまり気にはならないでしょう。CV9=9あたりから、キーンという音が明確にモータからはっきり聞こえるのですが、低速の動きは良くなるかと思います。
CV9設定値 | 対応するPWMキャリア周波数 | PWM高周波音の聞こえ方 |
0 | 32kHz | 聞こえない |
1 | 24kHz | 聞こえない |
2 | 16kHz | 聞こえない |
3 | 12kHz | 聞こえない |
4 | 10kHz | 聞こえない |
5 | 8kHz | ほぼ聞こえない |
6 | 6kHz | ほぼ聞こえない |
7 | 4kHz | 少し聞こえる人もいる |
8 | 2kHz | キーンと音がする |
9 | 1kHz | ビーンとかなり音がする |
10 | 500Hz | ビーンとかなり音がする |
11 | 250Hz | ビーンとかなり音がする |
12 | 130Hz | ビーンとかなり音がする |
DSSPでもサウンドデータ書き込みの時に変更可能で、CVのモータタブのPWM周波数という項目をご変更ください。
動きが悪い場合は、設定のチューニング不足も考えられます。お使いのモータや重量などを考慮して、うまく調整をしてみてください。