KATOのPWMアナログパワーパック(アナログの鉄道模型車両を走らせるコントローラ)である、パワーパック スタンダードSXを改造し、DCC車両を動かせるようにするDCCコントローラ改造キットであるHACX R4をデスクトップステーションオンラインストアにて販売しておりますが、想定よりも人気がありません。
身内で分析したところ、「パネルの穴加工に戸惑っているのでは?」という意見が出ましたので、SmileWorksさんと共同で、改善に乗り出すことにしました。
コンセプトとしては、前面パネルを丸ごと入れ替えてしまおう、というものです。どういうことかというと、下記の図の通り、前面をくりぬいて、代わりのパネルを張り付けるという手法です。
なお、HACX R4の基板はそのまま使えるようにするという方針で、進めました。設計途上としては以下のような感じでした。
Elecrowのアクリルパネル加工サービスと、木材パネルのレーザーカットサービスを使って下記のようなパネルを作ってもらいました。
このパネルを入れられるように、まずはパワーパックスタンダードSXの前面をくりぬく作業を始めます。まずは、完全に分解しました。はんだごても使って、配線もすべて標準の基板から取り外しています。
エコーテックのZO-41IIという超音波カッターを使い、くりぬき作業を実施しました。
超音波カッターで切った直後は、下記のように少し溶けて、縁ができているので、デザインナイフや彫刻刀などを使って、取り除いていきます。
出っ張る部分があるので調整し、アクリルパネルにHACX R4の基板を取り付けて調整を行いました。左下部分の基板とパネルをつなげるスペーサーがケースと当たりやすいところに位置しているので、必要に応じてケース側のカットを行ってください。また基板は、C3のコンデンサをロープロファイル(低背)のものにしないといけないので、ご注意ください。C3が無くても、一応はDCCコマンドステーションとしては動きますのでご安心ください。
今回は、木材パネルとアクリルパネルをサンドイッチすることとしました。理由は後述しますが、印刷した絵柄を挟み込むためです。また、タクトスイッチの高さが高いので、スペーサー代わりも想定してのことです。以下は試しに木材パネルとアクリルパネルを重ねてみた例です。
OLEDは下記のように、木材パネルに張り付けておきました。貼り付け方法はいろいろあると思いますが、私はグルーガン(ホットボンド)を使ってます。100円ショップで買えるので入手性も良いです。OLEDと基板の配線は、別途、電線を用意して配線してください。0.96インチのOLEDを使用する場合には、四隅がタクトスイッチやスペーサーと干渉する場合があります。OLEDの配線パターンをチェックしたうえで、ニッパなどで切り落とす必要がある場合もあります。
次に、パネルに挟み込む絵柄・ボタン表記の設計です。パネルの設計データをInkscapeで読み込んで、文字を入れました。
物足りないので、Freepikの絵柄を使わせていただき、下記のように合体させました。
印刷してもサイズがずれないように、1/1スケールでInkscapeで設計しております。ふつうのペイントソフトだとズレることも多いので、ご注意ください。印刷して、ハサミやカッターで穴などを切り抜いたのが下記です。
アクリルパネルと、木材パネルの間に挟み込んで完成したのが下記のHACX R4 新パネル版であります。パネルは接着剤で固定となりますので、接着剤は別途ご用意ください。私は、ゴム系の万能型接着剤を使用しました。
現行版の制作例(右)との違いは、一目瞭然であります。
新パネルについては、HACX R4の追加オプションのキットとして、準備でき次第、デスクトップステーションオンラインストアにて販売させていただきます。価格は、1500~2000円程度で検討をしております。
・25V/47uF コンデンサ 1個(C7の交換用)
追加の前面パネルオプションキットの同梱物(案)
・タクトスイッチ(短) 7個
・スペーサー11mm 4個
・透明M3ねじ 4個(裏面基板固定用)
・白M3ねじ 4個(前面用)
・木材パネル 1枚
・アクリルパネル 1枚
・印刷済み用紙 2枚(柄はランダム)